君が生きて 俺は死んだ
アンプラグド
バイトへ向かうユチを見送ったその足で、俺はCDショップへと引き返した。
別にこれと言った用事はない。
その用事なら先程済ませた。ただ……
……帰りたくない……
……いつものこと。
慣れたように暇を潰し始めた俺の手は、途方もなく売場を漁った。
しばらく退屈な時を刻んでいると
聞き覚えのある音が……
──ほーたーるのー
本日2度目の閉店ガラガラを告げる音。
俺の世界一大嫌いな音。
何かの"終わり"というものは、俺を独りにするようで堪らない。
それを節目だと、誰かが言ってた気もするけど……
そんなのいらない
……終わってなんかない。
今日という日が過ぎ去っても、それが俺の中で脈打ってる限り
終わらせることなんてできやしない。