君が生きて 俺は死んだ
すっかり暗くなった街頭から外れ、意味もなく費やす夜は続いた。
公園、コンビニ、川沿いの道……
またコンビニ。
そのまま素通りするのは気が引けた。
そこを逃せば他に立ち寄るポイントは見当たらない。
最後の休息の場……
「おっ、マサ君ちゃう?」
……でもなさそうだ。
「偶然ですねぇ」
「ホントやな」
最悪な偶然。
「今から家行きますか?」
「いや、明日朝一で仕事だから」
「大変ですねぇ」
それは何よりの救いだ。
「何か買ったろか?」
「いやいや、多少あるんで大丈夫です」
「あんまタカるなよ」
「タカってないっすよ」
「働かんのか?」
「探してるとこです」
「俺のとこ人手足りとるもんでな。どっかいいとこあったら聞いとくわ」
「すいません……」
うるせえよ、デブ。