叶わぬ恋

僕らは、昔を懐かしむように


ただ思い出話をした。




彼女が急にここに僕を呼び出した訳を


聞こうとはしなかった。




ただ、笑い合い


たわいない話をし


すっかり冷めてしまったコーヒーを飲みほして



「もう行かなきゃ。」




僕から席を立った。





「あ、うん。仕事中だったんだよね。


ごめんね・・・。」




いつまでだって一緒にいたい。



でも、それは知られてはいけない。





僕は・・・


今ある自分の場所を・・・





壊すことはできない。





それが・・・

偽りの場所でも


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