叶わぬ恋
何かの予感
今度も僕は何もできない。
だから・・・
本当は・・・
僕は・・・何の資格もないんだ。
「それじゃあ・・・。」
店を出て僕はそのまま行ってしまおうとした。
次に会う約束も何もしない。
僕は逃げてた。
だから・・・
彼女に言わせてしまった。
「もしかしたら・・・なんて
ずるい考えだよね?
でも・・・
奥さんからも・・
娘さんからも・・・
総くんを奪いたいって気持ち・・・
それが本当なの。」
僕の背に向かって彼女が言った。
僕は何も答えられなかった。
何て答える?
彼女の気持ちに答えることなんて
今の僕にはできない。
そう・・・あのときも
僕は何もできなかった
そして・・・今も
僕には何もできない
「ごめん。」
うつむいたまま僕はそう言うことしかできなかった。