叶わぬ恋

海辺を二人で手を繋いで歩いた。


変わらない・・・

あの時と変わらない海



変わったのは・・

僕らが年を重ねたことと・・・




僕らの状況が反対になったってこと。







何もしていない彼女の左の薬指



もう・・

彼女を縛るものはないのに・・・。






娘が見つけ出してきたあの時の指輪


今日もこの胸に下げている。





この指輪の代わりに僕が指輪をあげますと


あのとき神様に言った。






だから・・彼女をこうして僕のもとへ?



だったら、神様・・・



あなたは酷すぎる。




一人待つこともで出来なかった僕に・・・



やっぱり罰を与えたいんでしょうか?



僕は、もう彼女に指輪をあげることはできない。





この指輪を持って・・・


僕はこの先一生・・・




苦しむのでしょうか?






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