叶わぬ恋
帰り際、彼女が土産物売り場で何やら真剣に選んでいた。



「何見てるの?」


「え?あ、うんん。ちょっと・・・。」


「お土産?」



彼女の手に二つのキーホルダー



誰に?




彼女はそれをそっと元に戻した。



「買わないの?」


「うん・・・あげる人いないし。」




それが・・・すごく気になった。




「行こっか。」


彼女は、その辺り土産物のぬいぐるみをポンポンと触りながらそう言った。



僕らは、そのまま何も買わずに店を出た。






「あっ、ちょっとトイレ・・・悪い、あそこのベンチで待ってて。」



僕は店を出てから少しして彼女にそう言って・・・












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