叶わぬ恋

「心配・・しないで。」


彼女が微笑んで言った。



どうして?

どうしてこんな時にまで・・・


微笑むことができるんだ?





「だけど・・・。すぐ医者を・・・」


「誰も・・・呼ばないで。」



彼女が僕の手を握って・・・


「聞いて・・欲しいの。」



「何?」






このままこうしていたら・・・彼女は・・・


僕は泣き出しそうだった。




ただそのときを待つことしか出来ない自分が・・・くやしい



「あの・・ね。

私・・・本当は・・・。」




ポツポツと彼女が話し出した。



< 125 / 134 >

この作品をシェア

pagetop