叶わぬ恋
それは、大学2年の夏――――


「これから忙しくなるんで、

夏休みの間だけのバイトを増やすことにしたよ。」


そう言って、店長がみんなに紹介したのが、

彼女だった。




「夏野ことみです。よろしくお願いします。」

「清閑女子大の2年生だ。バイトは初めてだったね。」

「はい。ご迷惑をおかけしないように頑張ります!」



他のみんながざわついた。


そこの大学は、超お嬢様大学で知られていたからだ。



僕と同い年だった。


なのに見た目は、ずっと幼く見えた。

華奢で色白、小さな顔に大きな目。

小動物のよう。


守ってあげたくなるタイプだった。




そんな容姿とは裏腹に、驚くほど明るく活発な彼女の行動には次々と驚かされ・・・


「いや~、ことみちゃんが入ってからお客も増えたし、
店の雰囲気も良くなったな。」


その通りだった。




彼女といると周りがパッと明るくなった。



そして、次々と新しい発見があった。



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