叶わぬ恋

それは――その指輪はずっと僕のポケットの中

のはずだった・・・。



無い――


どこにも無い




僕は慌てた。



どうでもいいって思ってたのに無くしてすごく慌てた。



見つからなければ・・・もう、返すこともできない。





思いつくところは全て探した。



でも、結局見つからなかった。








バイトが終わって店を出ると彼女がそこに居た。



誰かを待ってるようにそこに立つ彼女。


「あの・・・総くんを待ってたの。」



そう言われても、その時の僕は彼女と目を合わすことができなかった。


「そう・・・何か用?」


視線を無意識に逸らしてしまう。



心にやましいところがあったから・・・。



無くしてしまった彼女の指輪―――


その時とっさに思った


今正直に謝ったら・・・


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