叶わぬ恋
「本当は私の卒業を待って、
それから行くはずだったの。
でも、急に予定が変わって・・・。」
「もしかして・・・」
「うんん、違うの。
向こうに空きが出来たから・・・
彼、前から向こうで勉強したがってたの。」
「だから・・・君も着いて行くんだね?
大学は?君は自分のことはいいの?
彼の犠牲じゃない?」
引き止めたい気持ちがそう言わせてた。
彼女は首を横に振った。
「私・・・彼の奥さんだから・・・。」
だから着いて行くって?
本当にそれで満足なの?
聞けなかった。
聞く資格なんて・・・
僕には無かった。