叶わぬ恋
「本当はね、あの日彼に外出を止められたの。
私、毎日が楽しくって・・・
彼、きっと分かってたんだと思うの・・・。」
彼女はそこまで言ってまた・・
言うのをやめてしまった。
何を分かっていたの?
僕は・・・あえて問わなかった。
知らない方がいい
言わない方がいい
お互いが・・・
本当は・・・
分かっている。
「走ろう!あそこの岩まで!」
急に彼女がそう言って走り出した。
僕も慌てて立ち上がり
追いかけた。