叶わぬ恋
「やった!私の勝ち!
はい、じゃあ罰ゲーム!」
頬を上気させ彼女が言った。
え?
「ずるいよ。先に走り出しといて・・。」
久しぶりに走って息が切れて、
それ以上言えずに僕は砂の上に大の字になって寝転んだ。
「こんなんでバテちゃったの?」
彼女が上から僕を覗き込んで笑っていた。
その笑顔・・・
眩しいぐらいのその笑顔
僕の瞳に焼き付けて
黙って僕は目を閉じた。
もう二度と口にしてはならない言葉・・・
その言葉をまた発してしまいそうだったから・・・