叶わぬ恋

彼女が隣に座る気配に目を開け、

「で?罰ゲームって?」

自分でも驚くぐらいに普通に言葉が出たことにホッとした。



「そうね・・・どうしよっかな~。

そうだ!今度はおんぶして向こうまで戻るの!」



彼女がそう言ってまた立ち上がった。



「おんぶ?マジで?」

「はい!ほら早く~!」



しぶしぶ僕も立ち上がり砂を払い落とし腰をかがめた。



そして・・・





僕の背中に・・・


彼女がそっと抱きついて・・・



「冗談・・・


ごめん・・・ね。」




「こと・・ちゃん?」



そのまま動くことが出来なかった。



「総くんの背中・・・


あったかい・・・ね。」





僕は今でも忘れない。



あのときの温もり・・・



僕の背中に頬よせて呟いた

彼女の・・・


言葉



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