叶わぬ恋
悲しい再会―皮肉な運命

「パ~パ!」


娘が駆けて来た。



やっと3つになる僕の大切な娘。




抱きしめて僕は、

その温もりに安堵する。






誰かと生きることも


暖かい家庭を持つことも



全て諦めたはずだった。





13年前


僕は確かに誓った。



もう誰も愛さない。


愛せない。





それは確かだった。



でも・・・



僕は一人で生きることができなかった。




愛さない・・・愛せない




お互いに分かっていて結婚した。



彼女は過去に辛い恋愛をしていて誰も愛せなくなっていて・・・


僕も誰かを愛せなくて・・・



お互いに淋しさを埋め合わせるかのように・・・


一緒になった。



< 81 / 134 >

この作品をシェア

pagetop