叶わぬ恋
「ことがね、見つけたの。」
どこに?どこで?
あれからそれをどこにしまったかさえ忘れていた。
「ママはパパのもってるから、
ことのこれは、パパがして。こととパパの指輪ね。」
無邪気に娘が言った。
「分かったよ。だけど、パパには細くって入らないから・・・。」
娘が悲しそうな顔になった。
「分かった、じゃあ・・・。」
その指輪を僕は金の鎖に通した。
「わ~、パパカッコいい!」
胸が痛かった。
この胸にかかるこの指輪
それは
辛い思い出と
僕の罪の
証なのだから・・・。