叶わぬ恋

「総・・・くん?なの?」



夢だと

僕は思った。



もう一度目を閉じ

再び開ければ


もういない。





「総くん・・・だよね?」


でも、

確かに

彼女はそこにいた。




「こと・・・ちゃん?」




夢でも

幻でも


なかった。



「昨日、日本に帰って来たの。」



彼女が言った。









現実に彼女はここにいる。



僕はただ黙って彼女を見つめた。



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