叶わぬ恋
「こと、ママからだよ。」
「マ~マ!]
受話器を取ると娘はいつものように可愛らしい声で呼ぶ。
それから自分は元気で大丈夫だからと精一杯に伝える。
妻は愛情いっぱいで・・・
娘と離れて淋しい母の・・・振り。
出張先からの電話は自己満足に過ぎない。
僕は分かってる。
娘は・・・
分かっているのかも知れない。
幸せな・・・
温かい家庭
僕らは・・・・
こんなんで・・・
許されるのだろうか?
母がいなくても黙って一人眠る娘。
『こと・・・ゴメン。』
眠る娘に心の中で呟いた。