真夜中の太陽
「見たぜー、オレ。国道を車で走っていただろ、このまえの日曜」
「……えっ?」
村岡くんの目撃証言に、全身が凍りつく。
「それ、違う……」
やっとの思いで出てきた言葉を口にしながら、落ちたポテトチップスの袋を拾い上げる。
「またまたぁ。昼過ぎだったかなぁ、オレ、手ぇ振ったんだぜ?」
―――ありえない。
日曜日という日はあっても、昼過ぎなんて、ありえない時間帯。
あたしと永輝が会うのは、いつも真夜中。
新聞配達の音を合図にして、永輝と別れる。
太陽が照らす昼間に会ったことなんて、一度もない――。