真夜中の太陽
あたしの意思も、心の準備も、何もかも無視して、永輝は強引に激しくキスをしてきた。
あまりにも勢いが激しすぎて、あたしの身体は床に倒れそうになる。
永輝は片方の手で、あたしが倒れないように支える。
「ごめんな。オレは悪い人間だから―――」
キスの後、永輝はあたしから目を背けてそう言った。
あたしはその先に話を進ませることができず、バカみたいに笑った。
「さっ、飲もう飲もう!…って、永輝は車だからジュースだけどねっ」
永輝もまた、何事もなかったかのように笑う。
「オレ、毎回ジュースか。今度は歩いて来ようかな」
今度…。
こんなことがあって、『今度』という時間はやってくるのだろうか。
あたしは静かに笑って、永輝のコップにジュースを注いだ。