真夜中の太陽
・急降下・
突然の、そして永輝との初めてのキス。
幸せどころか、苦いキスだった。
あんな形では交わしたくないキスだったし、どんな意味が込められていたキスだったのか、あたしには分からなかった。
「嫌いじゃないけど、そばにいてあげないといけない人ってどんな存在?」
同じ男としての意見が聞きたくて、あたしは村岡くんに聞いた。
「はあ?なんだ、それ」
突然、難しい質問をぶつけられた村岡くんはすぐに理解できず聞き返す。
もう一度説明して、相手が、昔世話になった人の妹という位置づけも付け足す。
村岡くんは考える間もなく、当然のように言った。
「そりゃあ、恩人に対する義理じゃないのか?」
「……義理…」
「あぁ。それか、その女の子が不治の病とかで残り少ない寿命とか」
「不治の病…」
いろんな関係が予測できる。