真夜中の太陽

気のせいだと言うあたしを不審に思いながらも、永輝はそれ以上のことは何も聞いてこなかった。



ツイていないときは、とことんツイていない。

あたしの不運は、このクレームだけでは終わらなかった。



「すみません、レジお願いします」

「あっ、はい!」



いけない。

しっかりしなくちゃ。


店内にいた村岡くんは他のお客さんの対応をしていて、レジから離れていた。

それに気付かず、お客さんを待たせていたことを反省し、あたしは小走りでレジに向かい、商品をスキャンし始めた。



「合計で2,080円です」



女性客が財布を探っている間に商品を手早く袋に入れる。

以前はもたついていたサッカーも難なくこなせるようになり、お客さんがお金を出すと同時に商品を袋に入れられるようになった。

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