真夜中の太陽
「申し訳ありません、すぐに……」
「コレだけじゃないわよ、コレも!」
その女性客は袋を裏返して底にべったりとくっついた一個のキャンディを見せた。
それは女性客が買ったものとは関係なく、包装さえもされていない、食べかけと思われるキャンディだった。
「雑誌はレジに持っていく時に破れてなんかなかったわよ?それに、このキャンディ、どういうこと?あなた、袋に入れる時になにも気付かなかったの?」
気付かないわけがない。
商品を入れる際に入れやすいように手を袋の下にまで突っ込むし、入れている間も袋の中も見ているのだから。
でも、もしかしたら見落としたのかもしれない。
だけど、雑誌は…?
レジに持っていくまでは破れていなかったと言うけれど、袋に入れる時に破れたような感じは全くなかった。
「店長、呼んで!」