真夜中の太陽

いろんな疑問が頭を回りながらも頭を下げるあたしに、女性客は店長を呼ぶように言う。

バックルームでモニターを通して騒ぎに気付いたのか、あたしが呼ぶより先に店長が現れた。


店長は事情を聞き、真相を突き止めるためにビデオをチェックし早急に連絡すると言ったけれど、女性客の怒りは収まらず、


「最低だわ、こんな店!」


と吐き捨てるように言って店を出て行った。



騒ぎの後、あたしはすぐに店長と一緒にバックルームに行き、ビデオをチェックした。

チェックする限り、お弁当のクレームと同じで、キャンディも破れた雑誌の真相もいまいち解明できなかった。



「うーん…。これはお客さんの言いがかり、だろうねぇ」



あまりにも理解し難い状況で、店長は結論を出し、一応気をつけるようにと言ってあたしを店に戻した。



最悪だった。

クレームが立て続けに起きたことが悔しくて、泣きそうになった。

そして、今すぐ、永輝に会いたかった―――。

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