真夜中の太陽
「かんなさん……」
あたしがぽつりとその名を口にすると、永輝の表情は一瞬にして険しくなる。
「……彼女じゃないのにそばにいてあげないといけないなんて…」
「…………」
「どんな関係なの?」
永輝は黙ったままうつむいていた。
そんな永輝に、あたしは笑う。
「やだ、そんな深刻にならないでよ。ただ、不思議に思ってるだけ。そういう関係って、あたし、初めて聞いたからー」
まるで、
『気にもしてないわよ。あたし、あなたのこと何とも思っていないし』
というような軽い言い方。
本当は心が張り裂けてしまいそうなくらい、気になっているのに。
永輝がそばにいてあげないといけない、あたしに似ている彼女――。