真夜中の太陽
――どうして、あたしの部屋に来るの?
喉元まで出かかった言葉を、あたしは呑み込んだ。
その言葉が引き金になって、次々と言ってしまいそうだったから。
『もう来なくていいよ』
『ここに来る暇があったら、かんなさんのそばにいてあげてよ』
そう言ってしまったら、もう二度と永輝と会えない気がした。
「……どうして……、なんだっけ?何か言おうとしたけど、忘れちゃった」
あたしは苦笑してごまかした。
かんなさんと同じように、あたしも永輝が好き。
あたしに対する、永輝の気持ちなんて分からない。
それでもあたしは、永輝と一緒にいたい。
「……あ、そうだ」
しんとなった空気の中で、永輝が思い出したようにジャケットのポケットを探る。