真夜中の太陽
「嫌がらせ…。心当たりなんてないなぁ」
永輝と会っていることを、諒子に知られたくなかった。
大切なあたしの親友。
軽蔑されたくない。
親友だからこそ、あたしの気持ちを分かってくれるかも…なんて考えは甘いのかもしれない。
〈ピンポーン…〉
「いらっしゃ……、あー!結崎さんっ!久しぶ……」
「えっ?あ、本当…」
入り口に同時に振り返ったあたしたちは、全身が硬直するのも同時だった。
少しでも動けば体中にヒビが入ってしまうほどに、一番硬直したのはあたしだった。
理由は、不意打ちで永輝が店に来たからじゃない。
永輝の隣りに、あたしにそっくりの女の子がいたから……。