真夜中の太陽

「……やっぱりここにいた!!」



店で会った時とは、正反対の恐ろしい声。

永輝に寄り添うようにして立っていたあたしを、かんなさんが睨みつける。



「この女、絶対に許さない――!!」



ドスの聞いた声が真夜中の静寂を壊していく。

かんなさんは玄関のドアを拳で殴りつけると、それ以上のことは何も言わずに立ち去って行った。



永輝もあたしも呆然とその場に立ちすくむ。


冷たい空気が頬に触れ、ハッと我に返る。



「追いかけて、永輝!」



永輝があたしの声で我に返る。

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