真夜中の太陽
永輝に会いたくて、そして、遼太郎くんを待たせてはいけないと、あたしはコートを羽織って急いで外に出る。
アパートのすぐ横の道路。
そこに遼太郎くんは車を止め、白い息を吐きながら車の外で待っていた。
窓に真っ黒なフィルムが貼られた、近寄りがたい車。
その車と遼太郎くんの雰囲気を見ていると、永輝はやっぱり、あたしとは違う世界で生きてきた人なのだと思い知らされる。
「あの…、遼太郎くん?ごめんなさい、あたし……」
何も知らずに警戒していたことを謝る。
「……無理もないよ」
静かに笑うクセ。
永輝に似ている。
遼太郎くんは助手席のドアを開けて、あたしに乗るように促す。
あたしは「ありがとう」と言って、助手席に乗った。