真夜中の太陽

「姉さんはね、永輝くんが自分以外の人を好きになるはずがないって思ってる所があるんだよ」

「……そうなの?」

「うん。今だって、永輝くんが少しは自分のことを好きなんじゃないかって思ってる。一緒にいれば、完全に気持ちが戻るって」



あたしは何も言えなかった。

永輝はあたしのそばにいたいと言ってくれた。

でも……、あたしに対するハッキリした気持ちまでは言わなかった。

あたしは永輝のはっきりとした気持ちが知りたい……。



「着いたよ」



車が二階建ての家の前で止まる。



「オレ、適当に遊んでくるから、勝手に入っていいよ。永輝くんしかいないから」

「うん。ありがとう」



あたしが車を降りると、遼太郎くんはゆっくりと車を走らせた。

外灯の点る玄関。

このドアを開ければ、永輝がいる。

あたしは高鳴る胸を抑えながら、玄関のチャイムを押した。

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