真夜中の太陽
――本当にそばにいたいのは柚羽だから。
そう言ったくせに、あなたはかんなさんを抱くんだね。
同情だけで抱けるのなら、あたしを抱くことだってできるじゃない。
あたしには、一度きりの、不可解なキスしかしなかった。
あたしが「抱いて」と懇願すれば、抱いてくれるの?
大粒の涙がどんどん溢れてくる。
何度拭っても涙が止まらず、拭っても無駄だと放置する。
来た道を、記憶をたどりながらアパートに向かって歩く。
合っているのか、いないのか分からないけれど、とりあえず歩く。
「柚羽さん?」
「……遼太郎くん…」
あたしのすぐ横で、一台の車が止まり、助手席の窓が開く。
「どうしたの?永輝くんは……」