真夜中の太陽
たった今起きたことを、どう説明すればいいのか。
何から話せばいいのか。
混乱する頭の中。
「柚羽さん!?」
なにがきっかけになったのかは分からない。
体中を締め付けていた鎖が、突然ふっと解かれる。
あたしは、わっと声を上げて泣いた。
叫ぶようにして泣くあたしの声が闇夜に響いた。
「――落ち着いた?」
数分後。
あたしは車の中から細い弧を描く三日月をぼんやり眺めていた。
冷たい光を放ちながら夜空に高く輝いている三日月を追いかけるようにして走る遼太郎くんの車。