真夜中の太陽
「そうです」
―――あたしってば、なんてつまらない女なの!
成立しない会話のキャッチボールに自己嫌悪。
「大学って、そこのR大?」
「はい」
「ウチ、そこの学生が多いから、すぐに友達できるよ」
「はい」
結崎さんは初対面だというのにスラスラと話しかけてくる。
それに引き換えあたしは、「はい」「そうです」としか答えられない。
話せて嬉しいはずなのに、極度の緊張で顔が引きつっているのを肌で感じる。
もっと話したいのに、何一つ浮かばない状況に息苦しくなってきて、あたしは「じゃ、お疲れ様でした」と素っ気無い態度で踵を返した。