真夜中の太陽
今日は、永輝が来る前まであたしが飲んでいたカップに注がれたコーヒーと、永輝に差し出した灰皿だけ。
「……柚羽を抱くことはできない」
ダメ出しの一言に、あたしは絶望した。
あのキスは何を意味していたのか。
あたしのそばにいたいと言ってくれた言葉は、ただの気休めだったのか。
「……冗談だよ」
永輝を困らせたくなくて、これ以上、自分を惨めにさせたくなくて、あたしは何も聞かずに、フッと鼻で笑った。
「永輝、聞き流してね」
「うん?」
「……あたし、永輝を好きだよ。永輝の気持ちがどこにあっても、自分がもういいと思えるまで、永輝を好きでいるから」
永輝はただ黙って聞いている。