真夜中の太陽

……永輝は?

永輝の気持ちを最後まで聞けなかった。


優しいからこそ、永輝は自分の気持ちを言わなかったんだろう。

言えば、あたしが泣くとでも思ったんだろう。



「店長。あたし、他の店舗で続けたいです」



永輝との接点を失くしたくなかった。

店は変わるけど、同じコンビニでバイトしていれば、もしかしたら会えるんじゃないかと淡い期待を抱いていた。




「あたしは他の店舗はパスだなぁ」



講義の後、諒子が珍しくあたしを自分の部屋に誘った。

求人雑誌をパラパラめくりながら諒子が言う。



「大学前のうどん屋とか、結構、時給いいんだよねぇ」



目ぼしい求人情報に、赤ペンでチェックを入れる。

< 177 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop