真夜中の太陽

「何で、肝心なところで引いちゃうわけ？」

「……かんなさんを傷つけたくなかったし、それに…」



涙目になるあたしを見て、諒子は自分を精一杯抑えるようにして、深く深呼吸をする。



「とりあえずさ、結崎さんに聞いたら？もう会えないのなら、はっきりそう言ってもらうべきよ。曖昧なままでの自然消滅とかって最悪よ？」

「……そうかもね」



会える気配さえなくなってしまった今、あたしは本当に僅かな望みをかけている。

あたしはいつも、待っているばかりだった。

特に、かんなさんのことを知ってからは、永輝に連絡することによって、永輝とかんなさんを余計に傷つけ、苦しめてしまうんじゃないかと思っていた。



だけど……。


もしも本当に最後になるのなら、永輝の曖昧な態度の真意を聞くことぐらい、許されるんじゃないかと思えてきた。



「諒子、携帯、貸して？」