真夜中の太陽

あたしがこれから何をしようとしているか察知した諒子は、理由も聞かずに携帯を手渡す。

あたしの携帯からかけると、またこじれてしまいそうだったから、諒子に悪いと思いつつ携帯を借りる。

諒子はそのことも察していて、何も言わない。



記憶に残っている永輝の携帯番号を押す。

これまで押せずにいた最後の一桁がすんなりと押せた。



『お客様がおかけになった電話番号は現在使われておりません。番号を…』



呼び出し音さえも鳴らずに、感情もない淡々としたメッセージが流れる。



「柚羽……？」



呆然としたまま携帯を握り締めるあたしを見て、諒子が携帯をそっと奪い取る。

メッセージを聞いた諒子も、あたしと同じように、しばらく呆然としていた。



「解約……されてるじゃん」



諒子は震える声でそう言って、携帯を静かにテーブルの上に置いた。