真夜中の太陽
・永輝・
夜の国道に来るのは二回目。
そして、一人で来るのは初めてだった。
昼間は何度となく足を踏み入れていたその場所は、真夜中になると違う顔を持っていた。
買い物客やサラリーマンが行き交うアーケード。
この時間帯は、年齢層が一気に下がる。
大音量で流れるヒップホップをBGMに、スケボーをする若者。
爆音を響かせて国道を走り抜けるスポーツカー。
ドレスアップした愛車を自慢するかのように、ゆっくりと走る高級車。
アーケードにはそういう車をただ眺めて楽しんだり、ナンパをしたりされたりする男女。
ちょっとしたお祭り騒ぎだった。
あたしはそんな中、たった一人で、永輝と赤いスポーツカーを探す。
車には詳しくなかったから、赤い、それらしい車が向こうからやってくると目を見張った。
だけど、現実はそう簡単にはいかなかった。