真夜中の太陽
永輝はゆっくりと体を起こすと、滑るようにしてベッドから降り、そのままテーブルの前に座る。
少し寝癖のついた髪の毛。
永輝はぼんやりとした顔のままで、あたしの作った朝食を食べ始めた。
「起きてすぐゴハン食べられるなんて、すごいね」
お味噌汁を一口飲んで、あたしは心の底から感心して言う。
「うん。柚羽は無理?」
「無理。しばらく時間置かないと食べられない」
「そういう人の方が多いよ」
永輝は静かに笑いながら、納豆をぐるぐるとかき混ぜた。
朝食を済ませると、永輝は素早く身支度を始め、洋服に着替える。
私服出勤がOKな会社だから、クローゼットにはスーツなんてものが一枚もなかった。
「じゃ、行ってくるね」
「うん。気をつけて」