真夜中の太陽

今まで、どこにあったんだろう?

ずっとこの場所にあったとは思えない。


………永輝?


突然、不安になって、あたしは玄関のドアを開けた。


ドアの外に広がるのは、夜空に無数の星を抱えた、真夜中の世界。


―――どうして?

あたし、今、朝ごはん作って、永輝に「行ってらっしゃい」と言って、見送ったよね?



「永輝!!」



その名を呼ぶけれど、永輝の姿はどこにもなかった。

ただただ広がる、真夜中の世界。



「………永輝っっ!」



それまで玄関先にいたはずのあたしが、次に永輝の名を呼んだ場所はベッドの上だった。

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