真夜中の太陽
遼太郎くんに聞けば分かるかもしれない。
だけど、一度行ったきりの遼太郎くんの家なんて覚えていなかった。
「でさ、運転していたヤツは即死で、助手席に乗っていた女の子は意識不明の重体だとさ」
「最悪だな。スピードでも出してたんだろうな」
「いや、それがさ、そいつの後ろを走ってたっていうおっさんがテレビで言ってたけど……」
心臓がドクンドクンと鈍く打ち始める。
違う…永輝じゃない。
違う……――!
「スピードを出していたわけじゃないって。助手席の子が横からハンドル取ったように見えたって」
「マジ?」
「あぁ。で、急ブレーキかけたけど、そのままガードレール突き破って……」
「………」
壮絶な最期。
聞いていた男の子は言葉を失う。