真夜中の太陽
それが永輝のものではないかと、少し期待しながら振り向くと、目の前には男の子が立っていた。
……なに?
彼は何も言わず、ただあたしをじっと見て立っている。
あたしは無言でその場を離れようとした。
「ちょっ、待って!」
立ち去るあたしを、彼は慌てて呼び止めた。
「……なんですか?」
「あっ、いや、……一人?」
ナンパにしては挙動不審な彼に、あたしは不機嫌そうに言う。
「……だったらどうなんですか?」
「いや、そんなに怒らないでよ」
ぎこちなく笑う彼の顔を見て、あたしはあなたとは目的が違うのだと腹立たしくなってきた。