真夜中の太陽
永輝を探すことはとても困難で……。
こんな状況になって初めて、あたしは永輝の何を知っていたのだろうと思った。
元暴走族の総長で、公務員専門学校を中退して、建設会社に再就職して……。
専門学校時代にコンビニでバイトして……。
誰もが知っているようなことばかり。
かんなさんという元彼女のそばにいながらも、あたしに会いに来ていた。
その裏にある本当の気持ちなんて、あたしは知らなかったんだ……。
「さっ、今日もあてのない人探しでもしますか?」
夜の国道。
いつものように晶くんとぼんやりと国道を眺めるだけの時間。
永輝を探し始めて、どれだけの月日が経ったんだろう……。
晶くんは真剣な眼差しで国道に目を見張るのだけれど、今夜はいつもと違って、心ここにあらずといった様子だった。
「永輝さんのことなんだけど…」