真夜中の太陽
それはあまりにも辛い現実で……。
かんなさんと結婚するつもりでいたのなら、はっきりと言ってほしかった。
……だけど…、そんなことよりも……。
永輝はもう、いないんだ……――。
『柚羽……』
ずっと、頭の中を絶え間なく巡り続けた永輝の声、姿。
身体に記憶されている永輝のぬくもり、感触……。
永輝の死を確実に知ってもなお、永輝との思い出があたしを包み込む。
お願い……、今だけは解放して。
それともこれは、あたしがかんなさんを苦しめてしまったことへの罰なの――?