真夜中の太陽

『いえ、来ていません。連絡も取っていません』



嘘も偽りもない、真実。

かんなさんはそれを認めないだろうと思っていた。



『そう』



かんなさんは穏やかな表情でそう言って、コーヒーを飲む。



『あたしは毎日、永ちゃんと会ってるわよ。朝も、昼も、夜も』



……毎日、会っている。

これまでの、真夜中のあたしの時間も、今はこの人のものなんだ。



『この前ね、ちょっとした騒動があったの。あたし、生理が遅れちゃって。永ちゃんと二人で慌てて検査薬買いに行ったのよ。まぁ、結果はシロだったんだけどね』



かんなさんは嬉しそうに笑いながら話した。

何が、言いたいの?

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