真夜中の太陽
きっとそれは、永輝と同じ日に死んだあたしの記事だったんだ。
永輝を探しに一人で国道に行って……
日付が変わった翌朝……
突然降り出した雨の中……
あたしは永輝が使っていた灰皿の破片を握りしめたまま、19年の人生に幕を下ろしたんだ。
「柚羽さん、かんなさんのせいで死んだんじゃん!!」
あたしの最期を聞いて、晶くんは涙をポロポロとこぼす。
誰のせいでもない。
ベランダから落ちてしまったのはあたし自身の意思。
唯一、形として残っている永輝との思い出のもの。
それを失いたくなかったから……――。
泣きじゃくる晶くんを宥めながら、長く続くアーケードをぼんやりと眺める。
永輝……、おかしいね。
あたしとあなたは、同じ世界にいたんだよ。
そんなこと知りもせずに、ずっとずっと、探し続けて。