真夜中の太陽
予想通り、永輝くんはもうひとつの指輪を持っていた。
そこには、やっぱり予想通り、彼女の……柚羽さんの名前が刻まれていたんだ。
そして永輝くんの誕生日が刻印されていた。
見つけた時、俺は初めて大泣きしてしまった。
声をあげて……子供みたいに……。
柚羽さんとの関係を絶ってからの永輝くんは抜け殻のようだった。
感情を一切持たないロボットそのものだった。
笑うときもあれば、怒るときもあったけれど。
それは素直な感情なんかじゃなくて、まるでプログラムされているような感じだった。
『永輝くん……。聞いてる?』
『えっ?あぁ、悪い。何だっけ?』
いつも遠くを見ていた。
きっと永輝くんは、その先に柚羽さんの姿を探していたんだ。