真夜中の太陽
指輪には永輝くんのどんな思いが込められていたんだろう。
はっきりとした意味は分からないけれど、永輝くんは柚羽さんをこんなにも思っていたんだ……――。
「……はい、これ……」
柳諒子に初めて会った日から一ヶ月ほど経ったある日。
腑に落ちないような表情を浮かべながら、柳諒子は小さな瓶を俺に差し出した。
瓶の八分目くらいまで入っている、濁った白色の粉末……。
それは柚羽さんの骨だった――。
「ありがとう」
柚羽さんの骨を手にした瞬間、胸が苦しくなった。
この人と接したのは、たった一日だった。
永輝くんと会わせるために協力した。
うまくいくはずだったのに、無残にもそれは最悪な結果となり、この人は俺の前で泣き崩れた。
永輝くんが何よりも大切にしていた人……。