真夜中の太陽
「なぁなぁ、柚羽ちん。今度さ、社会学のノート貸してよ」
あたしとよく同じシフトになる村岡慎也。
同じ大学の同級生で、講義が一緒になることが多いからか、すぐに意気投合した。
「レンタル料500円!」
「たっけーよ!!」
村岡くんが結崎さんだったらなぁと、何度となく思った。
「あー、バイト終わったらビデオ返しに行かねぇとなぁ」
おでんの仕込みをしていたあたしの横で村岡くんが面倒くさそうに呟く。
「なに?Hビデオ?」
あたしは大きな厚揚げをトングでつつきながら笑う。
「ばーっか、ちげーよ!」