真夜中の太陽

「……不思議なことがあったんだ」

「えっ?なに?」

「晶っていう高校生のヤツがさ、永輝くんのことを探していたんだ」

「永ちゃんを?高校生が……?」



永ちゃんと高校生の男の子。

結びつかない二人。

初めて聞いた『晶』という名前……。



「でさ、そいつ……。柚羽さんが永輝くんを探していて、その手助けをしていたって言うんだ」

「……そう……なの?」



柚羽さんの死を知ったのは、搬送された病院だった。

何ヶ月も生死の境をさまよっていたあたしは、奇跡的に一命を取り留めて、目覚めたベッドの上で遼太郎くんから柚羽さんの死を聞かされた。



「国道で……、永輝くんにも会ったって。もちろん、二人とも死んだ後の話だよ。永輝くんも柚羽さんを探していたんだって」



信じがたい話だった。

でも、あの二人ならあり得ない話でもなかった。

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