真夜中の太陽
第2章―好き―

・再会・


ビデオを返しに行った日のバイト中。

その日は休みになっている諒子が店に突然やってきた。



「どうしたの?」

「慎ちゃんたちが飲み会していて、お誘いが来たのよ。もうすぐバイト終わりでしょ?一緒に行くよ」



行かない?という誘いではなく、行くよ!という、もはや命令形だった。

話を聞けば、カラオケボックスで飲み会をしているらしい。



「あたし、歌いたくないよ」

「歌わなくていいの!」



やけにテンションの高い諒子は、ボソリと小さな声で耳打ちしてきた。



「……結崎さんも来てるわよ」

「えっ!?本当?」



……って、どうして結崎さんのことを諒子が。

< 29 / 265 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop